偽りの婚約者さまは、この関係を終わらせる気がない!

「どういうことなの、悠里! 『言ってないのか』って、何を言ってないのよ!」
「ま、ま、まさか本当に!? あの人と付き合ってるのか!?」

「…………」

 左右から詰め寄ってくる両親の声もろくに耳に入らず、私は久世部長が消えていった方向を目を見開いたまま見つめていた。

 部長。とんでもない振りだけして、さくっと仕事に戻らないでください!
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