偽りの婚約者さまは、この関係を終わらせる気がない!

 そう思ったとき、目の前に座っていた結城課長がゆっくり頷いた。

「僕はいいと思います」
「……結城課長」

「部長から事前に話は聞いてるし、僕も賛成した。片瀬ならやれると思ってるよ」

 その一言をきっかけに、「私もいいと思います」「やりましょう」と声が上がり始め、三原さんまで嬉しそうにこちらを見ながら大きく頷いている。

 やがて誰かが手を叩き、それにつられるように拍手が広がっていった。
 まさか拍手までされるとは思っていなくて、私はますますどうしていいかわからなくなった。

「じゃあ、よろしく」

 慧さんだけはいつもと変わらない様子でそう告げると、そのまま残りの連絡事項を伝え、部内会議を終わらせた。
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