偽りの婚約者さまは、この関係を終わらせる気がない!
第九章 偽ものの関係の終わり
L'ÉCRINの周年企画が本格的に動き始めてから、チームリーダーとしての毎日は、文字どおり目が回りそうなほど忙しくなった。
通常業務をこなしながら、チーム内で出た企画案をまとめ、ホテル側と打ち合わせをして、各部署との調整を進める。
ひとつ決まったと思えば別のところから修正が入り、それに対応しているうちに新しい課題が見つかるという繰り返しだ。
家に帰ってからもつい仕事のことを考えてしまう日が増えていた。
それでも、不思議と嫌とか辛い気持ちはなかった。
最初こそ自分がリーダーで本当に大丈夫なのかと不安ばかりだったけれど、結城課長は必要なところでは必ず助言をくれるし、三原さんをはじめとしたチームのみんなも、それぞれ自分の役割をきちんと果たしてくれている。
そして何より、困ったときには慧さんがいる。