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「お帰り、何? やっぱりバスケットする気になったの?」
母親は当然、ミニバスから始めたバスケットボールに夢中になっていたことを知っている。高校に入ってからはバスケ部には入らないと言った時は、叱責こそされなかったけど、あんなに好きだったのに、と言われたものだった。
「ううん、そうじゃなくて……ちょっとやりたくなっちゃっただけ」
そう言うと、少しがっかりされた。だけど、母親としても中学時代は毎日毎日疲弊して帰宅していたことも知っている。高校はそれに勉学も比重が重くなる。無理にとは思わないのだろう。それ以上深くは聞かれなかった。
もう一度ベランダへ出ると、さっきの場所へと視線を投げた。槇野くんの少し曇った笑顔を思い出す。
……くるくる……
何だろう。この日からずっと、私の心臓のあるところあたりで
……くるくる……
槇野くんの眩しいくらいのボールが回っているみたいだった。
落ち着かない。気になって落ち着かない。どうしてあんな顔をしたのだろう。どうして……競技ボールではないシルバーブルーのボールを持っていたのだろう。
バスケ、槇野くんはどうして……やめてしまったの?なぜだか私はそんな気がしていた。彼がそう言ったわけではないのに、槇野くんはバスケをやめたのだと。
母親は当然、ミニバスから始めたバスケットボールに夢中になっていたことを知っている。高校に入ってからはバスケ部には入らないと言った時は、叱責こそされなかったけど、あんなに好きだったのに、と言われたものだった。
「ううん、そうじゃなくて……ちょっとやりたくなっちゃっただけ」
そう言うと、少しがっかりされた。だけど、母親としても中学時代は毎日毎日疲弊して帰宅していたことも知っている。高校はそれに勉学も比重が重くなる。無理にとは思わないのだろう。それ以上深くは聞かれなかった。
もう一度ベランダへ出ると、さっきの場所へと視線を投げた。槇野くんの少し曇った笑顔を思い出す。
……くるくる……
何だろう。この日からずっと、私の心臓のあるところあたりで
……くるくる……
槇野くんの眩しいくらいのボールが回っているみたいだった。
落ち着かない。気になって落ち着かない。どうしてあんな顔をしたのだろう。どうして……競技ボールではないシルバーブルーのボールを持っていたのだろう。
バスケ、槇野くんはどうして……やめてしまったの?なぜだか私はそんな気がしていた。彼がそう言ったわけではないのに、槇野くんはバスケをやめたのだと。