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「……知ってたんだ」
「うん、私……バスケット部に入ったでしょ? それで色々聞いちゃった」
 梨花子は数日前に入部届を出したと行っていた。迷いなくバスケ部に入った梨花子を少し羨ましく思ったからよく覚えている。

「あれだけ背高いと何かスポーツでもしてたのかなって思うよね」そう言った由紀恵は『クッキング部なんてあるだー、美味しそう』なんて言ってたのに、入ってから本格的すぎて荷が重いと涙目だった。

 ……私は、まだ部活は決めかねていた。

 知りたいと思う。なぜ、槇野くんは学校も休みがちで、バスケもやめてしまったのか。やめたのに、どうして一人でバスケットゴールのある場所にいたのか。

「教えて、その……梨花子が、聞いたこと」
「中学であのくらい背があって、目立つプレイヤーだったみたい。みんな槇野は強豪高校へ行くと思ってたみたい。なのに、バスケもやめて、まさか普通の公立に行ってるなんて……って。あまり誰とも交流が無かったのか、詳細はわからないみたい」
「……怪我とかではないの?」
「ないみたいね」

 怪我じゃない。……昨日、バスケ、してたよね。やめたならボールなんて持っていないはずだ。
「公立じゃあ、学校も楽しくないのかな」
「あー、言うけどねえ、うちの男バス結構調子いいのよ、ここ数年」
「ふうん、じゃあ、槇野くんも入ったらいいのにね」
「……そんな単純な……」
 由紀恵がさらりと言うように、単純なことなのに、それがどうもうまくもいかないのだろう事は私にもわかった。
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