arch
 ──放課後
 両サイドの二人に別れを告げると、この日は寄り道などせずに家へと向かった。正確には家のベランダへと、向かった。

そこから昨日槇野くんがいた場所をずっと見ていた。
 ……しばらくすると、そこに槇野くんの姿が見えた。やっぱり!来ると思った。

不意に槇野くんが、こちらに目を向ける。

 彼との間に距離はあるけれど、目が合ったのはわかる。私は両手を広げてぶんぶんと振った。彼は停止して数秒、私に手を振り返すことなくふいっと背を向けてしまった。

すぐさま私も彼に背を向けた。学習能力がないって言われたらそれまでだけど、どうしてもこの熱情を止められなくて走った。息が切れるくらい。エレベーターの中以外はずっと走っていた。

私が到着すると、槇野くんは器用にハンドリングしていた。それから軽く、シュッとゴールへと向かってシュートする。それは、綺麗な弧を描き、パスッとネットを通りすぎて地面へとバウンドした。ほとんどネットが揺れないくらい正確なシュートだった。

「ナイッシュウ! ね、槇野くんすっごいフォーム綺麗だね」
「俺くらい背があれば、ゴール下かミドルくらいで勝負すべきかな。滅多に打つことなんて無かったな……3ポイントなんて」

手を振り返してもらえずに背を向けた彼は私がここへ来ても嫌な顔もせずにそう言った。

 相変わらず、浮かない表情だったけれど。
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