arch
「私が見せてって言ったからでしょう? 自分から頼んで格好つけてるって思わないよ」

真面目に言ったのに槇野くんは今度はボールをおでこに乗せてバランスを取ってる。

「そのボール、競技用?」
「うん、そ。でも試合には使えないね“観せる用”だから……」
「見せる?」
 確かに、競技では見たことがないくらい派手だ。おでこにあったボールは頭を背中側に滑り落ち後ろに回した手で器用にキャッチした。
「フリースタイル」
 そう言うとまたボールを回し始め、ねじった腕で交互に回し、腕の上を転がしたと思えば、パンッと両手でキャッチした。

「フリー……スタイル?」
「こんなの。だから本当は外でドリブルとかつきたくないんだよね。傷むし」
 高かったんだ、と少し茶目っ気のある笑顔を向けてくれた。
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