君の才能ごと、独り占め
「榊くん」

「ん」

「なんで、そこまでしてくれるの」

聞いてしまってから、心臓が大きく鳴った。

彼は少しだけ視線を伏せる。

「理由ないとだめ」

「だって、優しすぎるから」

「優しくしてるつもりはない」

「あるよ」

「……そう見えるなら、たぶん橘だから」

風が吹いた。

その言葉の意味を考える前に、彼は続ける。

「放っておけない」

「それって」

「最初は気になっただけ」

鼓動が速くなる。
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