君の才能ごと、独り占め

6☆君のことが、好きなんだ

「……好きだ」

世界が止まったみたいだった。

風の音も、遠くの声も、一瞬だけ全部遠のく。

私はただ彼を見ることしかできない。

「え」

やっと出た声は、それだけだった。

榊くんは苦く笑う。

「反応うすい」

「だ、だって急に……」

「急じゃない」

「私には急だよ」

「俺はずっと我慢してた」

その言い方に、胸が甘く痛くなる。

「転校初日から気になってた。無理して笑う顔が嫌だった。俺の前では自然に笑うくせに、他のやつの前では平気なふりするのも腹が立った」

そんなこと、思われていたなんて。

「手紙見たとき、ほんとに苛ついた」

榊くんの声が少しだけ低くなる。
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