君の才能ごと、独り占め
「私も、榊くんが好き」

言ってしまったら、急に恥ずかしさが押し寄せた。

顔が熱い。たぶん真っ赤だ。

でも榊くんは私から目を逸らさなかった。

「……ほんとに?」

「ほんと」

「同情じゃなくて」

「違うよ」

「流されてない」

「流されてもない」

そう答えると、彼は息を吐くみたいに小さく笑った。

初めて見る、安心したような笑顔だった。

「よかった」

それから彼は少し身を寄せる。

「抱きしめたい」

直球すぎる言葉に心臓が跳ねる。

「ここ、学校」

「知ってる」

「誰か来るかも」

「来ない」

「なんで言い切れるの」

「今は五限後の部活前で、この階はほとんど使ってない」

冷静な分析が返ってきて、こんなときなのに少しだけ笑ってしまった。

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