君の才能ごと、独り占め
「すごかった……」

「鳥肌立った」

「やばい、ほんとに高校生?」

「さすがって感じだった」

いくつもの声が耳に入る。
褒め言葉。驚き。感嘆。

前なら苦しかったはずのそれが、今日は不思議と違って聞こえた。

たぶん私はもう、才能だけに縛られていなかった。

音を好きだと思えた。
ちゃんと自分で選んで弾けた。

だから今は、その拍手を少しだけ素直に受け取れる。

「星音!」

講堂裏へ戻るなり、クラスメイトたちが駆け寄ってきた。

「すごすぎたよ!」

「やばい、泣きそうだった!」

「うちのクラスにあんな子いるの自慢なんだけど!」

次々にかけられる言葉に、私は少し照れながら笑う。

「ありがとう」

「喫茶のほうにも絶対お客さん来るよ!」

「講堂で見た人みんな噂するって!」

まさにその通りだった。

演奏が終わってから一時間もしないうちに、校内では私の話題がかなり広がっていたらしい。
廊下を歩けば視線を感じる。
知らない生徒同士がひそひそと話している声も聞こえる。
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