君の才能ごと、独り占め
「ほんとにきれいだったよね」

「写真頼めばよかったかな」

「榊くんと一緒にいた子だよね?」

「え、付き合ってるのかな」

そんな声が聞こえるたび、さっきのキスを思い出してしまって落ち着かない。

教室に戻ると、二年三組の音楽喫茶は大盛況だった。
講堂から流れてきたお客さんも多いらしく、入口には行列までできている。

「星音ちゃん! すごいよ、さっきから講堂の子見たくて来ましたって人めっちゃいる!」

「ええっ?」

「うちのクラス大当たりだよ!」

クラスメイトたちは大喜びだった。
私も接客に入ると、知らない先輩や他クラスの女子から声をかけられる。

「演奏すごかったです」

「写真一緒にいいですか?」

「また弾く予定ありますか?」

悪意のない好意だとわかっていても、一気に人が集まると少しだけ圧倒される。
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