君の才能ごと、独り占め
「休憩、ちゃんと取れそう?」

彼が聞く。

「うん。でもちょっとびっくりしてる」

「何が」

「演奏しただけで、こんなに人来るんだなって」

恒一くんは少しだけ沈黙してから言った。

「星音は自覚なさすぎ」

「そうかな」

「そう」

彼は私の前髪を見つめるように視線を落とす。

「きれいで、目立って、しかもあんな演奏したら、そりゃみんな放っておかない」

「……恒一くん、今日ほんとに嫉妬多めだね」

「仕方ない」

「そんなに?」

「かなり」

その素直さが愛しい。
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