過去の傷も全部、君の熱で上書きして。

キッチンで料理を作っている時も、チラチラと視線を感じていた。

ワインを飲んで少しずつ緊張がほぐれ、トロッとした目つきになっていく結衣ちゃん。

ソファに座らせて隣に腰掛けた瞬間、彼女から漂う甘いお酒の匂いとシャンプーの香りに、俺の理性の糸は完全に切れた。​

膝の上に彼女を座らせ、ずっと温めていた切り札を切る。​


『・・・・ねえ、結衣ちゃん?』


​「結衣さん」から、
二人きりの時だけの特別な呼び名────
「結衣ちゃん」へ。

​その言葉を落とした瞬間、結衣ちゃんの身体がビクッと跳ねた。

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