過去の傷も全部、君の熱で上書きして。
「俺がどれだけの覚悟であんたの隣に立ってると思ってんですか! 大学の時から3年待って、死ぬ気で勉強して、あんたを追ってこの会社に入って・・・! 噂になろうが、職を失おうが、誰に何を言われようが、俺が結衣ちゃんを手放すわけないだろ!」

「れ、廉くん・・・っ。」

「『俺のため』なんて綺麗な言葉で俺を遠ざけないでください。俺に必要なのは仕事の評価でも会社での立場でもない・・・・あんただけなんだよ!!」​


語尾が、切なく震えていた。

結衣を守るための決断のつもりが、どれほど彼を深く傷つけ、追い詰めていたか。

廉の目から溢れんばかりの情熱と、自分を失うことへの凄まじい恐怖を目の当たりにし、結衣の目からも溜め込んでいた涙がポロポロと溢れ出した。​


「ごめんなさい・・・・・っ。私、怖くて・・・・・また私といることで誰かをダメにしちゃうんじゃないかって・・・・・っ。廉くんの足を引っ張るのが怖かったの・・・っ。」


​しゃくりあげて泣く結衣の頭を、廉は愛おしそうに、けれど二度と離さないという強い力でギュッと抱きしめた。​


「足引っ張ってください、いくらでも。あんたになら、俺の人生全部壊されたって構わない。・・・だから、二度と離れようとしなんて言わないで。」​


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