過去の傷も全部、君の熱で上書きして。
『結衣ちゃんは俺のものです』
と、今すぐ大声で社内中に宣言してやりたかった。

彼女の華奢な肩を抱き寄せ、誰の視線も届かない場所へ連れ去ってしまいたかった。

だが、そんなことをすれば真面目で繊細な結衣ちゃんがパニックを起こし、怯えて逃げてしまうことは目に見えていた。

だから俺は、必死でその狂おしいほどの独占欲を抑え込み、オフィスでは''優秀で爽やかな後輩''の仮面を貼りつけ続けていたのだ。​


なのに────。​


あの日の夕方、給湯室の前に立った結衣ちゃんの顔を見た瞬間、俺は血の気が引いた。

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