過去の傷も全部、君の熱で上書きして。
柔らかな朝の光が、障子越しに部屋を優しく照らしていた。
結衣がゆっくりと目を覚ますと、真っ先に目に飛び込んできたのは、至近距離にある廉の寝顔だった。
昨夜の激しい愛撫の余韻で、全身が心地よい倦怠感と熱に包まれている。
結衣の腰には、今も廉の強い腕がしっかりと回されており、逃がさないと言わんばかりに抱き寄せられていた。
(・・・夢じゃ、ないんだ・・・・・。)
結衣がそっと廉の頬に手を伸ばすと、廉の長いまつ毛がピクリと動き、ゆっくりと瞳が開いた。
「・・・ん、結衣ちゃん。」
「あ、廉くん、おはよう。」
寝起きで少し掠れた声が、たまらなく愛おしい。
廉は寝ぼけ眼のまま結衣の額、鼻先、そして唇にちゅっちゅっと何度も甘いキスを落とすと、さらに腕の力を強めて結衣を胸の中に閉じ込んだ。