過去の傷も全部、君の熱で上書きして。

「いいんです。二人きりの時は『結衣ちゃん』って呼ぶって決めましたから。」

「~っ、本当に強引なんだから・・・。」

​ポケットの中で強く指を絡められ、結衣の顔がカッと熱くなる。

以前なら周囲の目を気にして怯えていた結衣だったが、今では廉の温もりと重いほどの愛しさに包まれる時間が、たまらなく愛おしく心地よかった。​


「あ、そうだ。結衣ちゃん、来週末の予定空けておいてくださいね」

「え? 来週末? 何かあるの?」

「秘密です。すごく大事な話がありますから。」​


廉は意味深に微笑むと、ポケットの中の手をぎゅっと強く握り締め返した。


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