過去の傷も全部、君の熱で上書きして。

一方、会社でも少しずつ変化が訪れていた。

​以前、二人の雰囲気を探ってきた同期の莉子や同僚たちだったが、最近の廉の堂々とした立ち振る舞いと、上司がさりげなくフォローを入れたことにより、変な噂はすっかり立ち消えていた。


​「瀬戸くんって本当、藤崎先輩のこと尊敬してるよね。でも変な下心とかじゃなくて、すごく良いチームワークって感じ!」

「だよね、二人とも仕事プロだし!」


​同僚たちがそんな会話をしているのを耳にしながら、結衣は心の中で小さく
「ごめんね。」
と謝りつつ、ホッと胸を撫で下ろしていた。​


(・・・廉くんが、ちゃんと社内のことも守ってくれてるんだ・・・。)​


だが、二人きりになれる一瞬の隙を、廉が見逃すはずもなかった。​

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