過去の傷も全部、君の熱で上書きして。

二次会が終わり、宴会が散会となったのは午後10時過ぎ。

少し飲みすぎてしまった結衣は、千鳥足になりながら駅へ続く夜道を一人歩いていた。

夜風にあたれば酔いが醒めるかと思ったが、かえって頭がふわふわと心地よく痺れていく。​


「・・・結衣先輩。」


​背後から追いついてきた足音とともに、急に腕を引っ張られた。

バランスを崩しかけた結衣の腰に、スッと大きな手が回される。​


「きゃっ・・・・・!?」

「危ないですよ。足元、ふらついてます。」


​抱き留められた胸の厚みと、微かに漂うアルコールの匂い。

見上げると、街頭の光の下で廉が苦笑いを浮かべて結衣を見下ろしていた。


​「瀬戸、くん・・・。大丈夫だよ、一人で歩けるから・・・っ」

「歩けてないです。・・・まったく、俺以外の男もいる前でそんなに飲むなんて、無防備すぎます。」


​呆れたような声だが、結衣を支える手には力が入っている。

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