過去の傷も全部、君の熱で上書きして。
「俺がどんだけあんたのこと待ったと思ってんですか。大学の時からずっと・・・・あんたが泣いてた時も、酷い目に遭ってた時も、俺はずっとあんただけ見てた!」
「え・・・・・・?」
「あんたを傷つけた過去の男のせいで俺まで遠ざけるなら・・・・・俺がそのトラウマ、力尽くで上書きしてやる。」
廉の手が結衣の頬に触れる。
親指が彼女の唇をそっと撫でた。
「逃がしませんからね、結衣さん。俺の本気、試してみますか?」
夜の闇の中、二人の視線が交錯する。
結衣の胸の奥で、長年固く閉ざされていた扉の鍵が、カチャンと音を立てて外れた。