過去の傷も全部、君の熱で上書きして。

​「本気、試してみますか?」​


至近距離で見つめてくる廉の瞳には、一切の揺らぎも嘘もなかった。

結衣を閉じ込める腕の力強さと、それとは対照的に愛おしそうに頬を撫でる指先の優しさ。​

逃げ場のない圧倒的な男の熱量に圧され、結衣の目から不意にポロリと大粒の涙がこぼれ落ちた。​


「っ・・・あ・・・。」​

「・・・怖かったの・・・・っ。もう二度と、あんな思いしたくなかったの・・・。『重い』って言われて・・・大事にされないで・・・私なんて誰も好きになってくれなんじゃないかって・・・。」


​しゃくりあげながら胸の奥の痛みを吐き出す結衣を見て、廉の瞳が激しく揺れた。

次の瞬間、廉は壁をついていた両腕で、結衣の華奢な身体を強く抱きしめた。​


「・・・結衣さん。」​


ぎゅう、と壊れ物を扱うように、けれど絶対に離さないという強い力で引き寄せられる。

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