過去の傷も全部、君の熱で上書きして。
掌から伝わってくるのは、驚くほどの熱気だ。
「冷たい・・・気持ちいい・・・。」
廉がうっとりと目を細め、結衣の手を自分の頬へと引き寄せる。
大きな手が、微かに震えていた。
普段の余裕たっぷりで強引な''男''の顔は影を潜め、どこか不安げで頼りない表情を見せている。
そのギャップに、結衣の胸がギュッと締め付けられた。
手早く作った熱々のおかゆをスプーンですくい、ベッド脇へ戻る。
「はい、廉くん。あーんして?」
「・・・俺、自分で食べられます。」
急に照れくさくなったのか、顔を背けようとする廉。
結衣はくすりと笑って、いつも彼にされているように強気にスプーンを突き出した。