過去の傷も全部、君の熱で上書きして。
「いつも廉くんに甘やかされてるんだから、今日くらい私に甘えてよ。ほら、あーん。」
「・・・反則です、それ。」
観念したように口を開ける廉。
ハフハフと一口食べさせると、廉は耳まで真っ赤にしながら嬉しそうに目元を緩めた。
食後、解熱剤を飲ませて汗を拭き、少し熱が落ち着いたのを見届けると、時計の針はすでに夜の11時を回っていた。
「だいぶ熱も下がってきたね。よかった・・・。それじゃあ廉くん、しっかり水分摂って寝てね。私、そろそろ帰るね。」
片付けを終えた結衣が
「じゃあね」
と立ち上がり、ベッドから一歩足を踏み出した、その時だった。