過去の傷も全部、君の熱で上書きして。
語尾を甘く揺らせながら、あまりにも無防備なおねだり。
いつもなら余裕たっぷりに唇を奪ってくる彼が、発熱のせいかすっかり幼い甘えん坊になっている。
その可愛さに胸が悶えそうになりながらも、結衣は必死に理性を保って頭を振った。
「ダメ。・・・風邪治ったらね。」
「・・・えー。」
あからさまに不満そうな声をあげて、廉はわかりやすく唇を尖らせた。
ぷいっと顔を少し背け、握っていた結衣の手をギュッと強く握りしめながら、少し不機嫌そうに低く呟く。
「・・・結衣ちゃんのケチ。俺が病気だからって、お預けするんだ・・・・・。」
普段の格好いい姿からは想像もつかない、絵に描いたような''年下の拗ね顔''。
あまりの愛おしさに耐えきれなくなった結衣は、クスッと優しく微笑むと、背けた廉の頬にそっと手を添えた。