過去の傷も全部、君の熱で上書きして。

午後2時。

他部署との合同ミーティングが終了し、参加していた社員たちがゾロゾロと会議室を後にする。


​「藤崎さん、さっきの企画書の件、あとでメール送っておくね。」

「あ、はい! よろしくお願いします。」


​同僚たちと会話を交わしながら、結衣もノートパソコンと資料を抱えて部屋を出ようとした。

最後の社員がドアを出ていき、結衣がドアノブに手をかけた瞬間────


後ろからすっと伸ばされた腕が、ドアを上からカチャンと押し戻した。​


「え・・・・?」​


振り返る間もなく、背後から抱きしめられ、ドアと廉の体の間に挟まれる。


​「せ、瀬戸くん・・・・!? みんなまだ近くにいるのに・・・っ。」

「大丈夫です、声を出さなければバレませんよ。」


​廉は結衣の肩口に顎を乗せ、耳元で悪戯っぽく囁いた。

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