過去の傷も全部、君の熱で上書きして。
会議室の磨りガラス越しには、廊下を歩く社員たちのシルエットが透けて見えている。

誰かが振り返れば、違和感に気づかれるかもしれない距離。​


「さっきの会議中、他部署の課長と楽しそうに話してましたね。」

「た、楽しそうにしてないよ・・・っ! ただの仕事の確認で・・・・。」

「俺以外の男にそんな笑い方しないでください。嫉妬で会議に集中できないかと思いました。」


​低く濁った声。

廉は抱きしめる腕の力を強め、結衣の首筋にそっと唇を寄せた。

唇が触れるか触れないかの距離で柔らかい吐息だけが肌を滑り、結衣のつま先から頭のてっぺんまで甘い痺れが駆け抜ける。​


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