過去の傷も全部、君の熱で上書きして。
「ん・・・・っ、廉くん、駄目・・・ここは・・・・っ。」
「会社を出たら、たっぷり罰をあげますから。」
耳たぶを小さくハムッと噛まれ、結衣は声にならない悲鳴を飲み込んだ。
廉は満足したように体を離すと、何事もなかったかのようにすっとドアを開け、
「お先に失礼します、藤崎先輩。」
と爽やかな笑みを残して立ち去っていった。
一人会議室に取り残された結衣は、崩れ落ちそうになる膝を必死で支えながら、赤くなった耳を押さえることしかできなかった。