過去の傷も全部、君の熱で上書きして。
極めつけは、午後の解散直後の会議室。
磨りガラス越しに他人の気配がする中で彼女をドアに押し付け、首筋に息を吹きかけた時だ。
他部署の男と楽しそうに話していた彼女への激しい嫉妬と、
「結衣ちゃんは俺のものだと知らしめたい」
という暗い欲望。
『俺以外の男にそんな笑い方しないでください』
そう耳元で囁いた時、結衣ちゃんが
「ん・・・っ」
と甘い吐息を漏らして身を震わせた瞬間、俺の頭の中の何かが弾けそうになった。
磨りガラスの向こうに社員がいなければ、あの場で押し倒してしまっていたかもしれない。