サーカス&バンドの年の差恋愛
花気分で楽しい飲み会もお開きとなり、愛斗たちはホテルへと戻る。ロビーで叶高さんとありささんと別れ、正子さんと愛斗だけになる。
静かな廊下を並んで歩き、部屋の扉を開けると、二人きりの穏やかな時間が流れ始める。
「今日は本当に楽しかったわ」正子さんが柔らかく微笑むと、愛斗も胸がいっぱいになる。
「はい。正子さんと一緒にいられて、本当に幸せだよ」そっと手を取り合い、見つめ合う二人。
その瞬間、言葉はいらない。温かな気持ちを確かめ合うように、そっと唇を重ね——それは愛おしさがあふれる、優しい時間だ。
その夜、二人は寄り添うようにして眠りにつく。愛斗は正子さんの温もりを感じながら、「明日のコンサート、二人で最高のステージにしよう」と心の中で誓う。
正子さんも愛斗のそばで、安心した笑顔で目を閉じる。
朝日がカーテンの隙間からそっと差し込む中、二人は目を覚ます。
「おはようございます」愛斗が囁くと、正子さんは穏やかな笑顔で応えてくれる。
「おはよう、愛斗くん」新しい朝の始まりを喜ぶように、再びそっと唇を重ね——それは一日の始まりにふさわしい、希望に満ちたキスだ。
ゆっくりと服を着て身支度を整え、部屋を出ると、廊下で高さん、ありささん、勇一さんが笑顔で待っていてくれる。「おはよう! 朝ごはん、一緒に行きましょう」ありささんの明るい声に、みんなでホテルの朝食バイキングへと向かう。
朝食バイキングにはたくさんの料理が並んでいて、愛斗は美味しそうなパンや温かいスープを取り、みんなと楽しく朝食を摂る。
「しっかり食べて、今日のコンサート、元気いっぱいで臨もうね」高さんの言葉に、みんなで頷く。
朝食を済ませると、一度それぞれの部屋に戻り、帰り支度とコンサートの準備を整える。
荷物をまとめてロビーに集まると、そこには内堀さん、吉田さん、そして森丘ヒロキさんも加わり、全員が揃う。「そろそろ行きましょう」内堀さんの合図で、みんなでマイクロバスに乗り込む。
バスはコンサート会場へと向かって走り出す。車内では「今日の曲、あそこが難しいんだよね」「楽しみだな」と、それぞれに緊張と期待が入り混じった話題で賑わう。
愛斗は正子さんの隣に座り、そっと手を握りしめる。
「大丈夫です、正子さん。僕がいつもそばにいますから」正子さんはにっこりと頷いてくれる。
やがて会場に到着し、楽屋に荷物を置くと、二人だけの短い時間が訪れる。
「いよいよですね」
「はい。正子さんの歌声を、今日も一番近くで聴かせてください」
そう言って見つめ合うと、緊張もほどけるように、そっとキスを交わす。
「がんばります」
楽屋を出てリハーサル室へ向かう。まず愛斗がピアノの前に座り、指先で鍵盤に触れる。澄んだメロディーが静かに響き渡ると、正子さんたちがそれに優しく歌を重ねていく。
何度も歌い、奏で、お互いの音と声を確かめ合う時間——それはとても充実していて、心が一つになる瞬間だ。
「このハーモニー、すてきね」正子さんが笑顔で言うと、ありささんも「本当! もうこれで本番みたい!」と嬉しそうに応える。高さんと勇一さんも「愛斗くんのピアノ、どんどん良くなってるよ」と励ましてくれる。
リハーサルが終わると、再び楽屋に戻り、用意されていたお弁当をみんなで囲む。「いただきます」温かなお弁当を食べながら、和やかなひとときを過ごす。休憩を挟んで、メイクや衣装の支度へ。
鏡の前でメイクを整える正子さんは、いつも以上に輝いて見える。
愛斗は紺色の美しいタキシードに着替え、姿見の前で襟元を正す。そのとき正子さんが近づいてきて、そっと襟元を整えてくれる。
「とてもお似合あってるよ」
「ありがとう正子も、本当に美しいよ」
そう言って見つめ合い、もう一度、お互いの想いを確かめるようにキスをする。
「行ってまいります」
「行ってらっしゃいませ」
ステージの幕が開き、温かな拍手が会場いっぱいに響き渡る。四時間にわたるコンサート——歌あり、トークあり、ピアノの演奏あり——あっという間の時間だ。最後の曲が終わり、大きな拍手の中、みんなで笑顔でお辞儀をする。
「ありがとうございました!」
ステージの片付けを終え、全員が心地よい疲れと達成感に包まれながら、打ち上げの居酒屋へと移動する。「本日はお疲れさまでした!」グラスを合わせて乾杯。
「今日のステージ、本当に最高だった!」
「また一緒に歌えて嬉しいよ」
それぞれに感想を語り合い、笑い合い、時には歌の話で盛り上がり——美味しい料理と飲み物、そして何よりこの仲間たちとの時間が、何よりも心を満たしてくれる。
愛斗は正子さんの笑顔をそっと見ながら、心の中でそっと思う。
「この絆を、いつまでも大切にしていきたい——」


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