monochrome 〜君の切り取る世界に、恋をした〜
(どこか、一人になれる静かな場所はないかな…。)
昼休みの喧騒と、グループ作りで浮き足立つ教室の空気に耐えかね、彩羽は一人逃げるように教室を抜け出した。
生徒たちの足音が遠ざかる廊下を進み、古い木造の特別校舎へと足を向ける。
渡り廊下を渡り、埃の匂いが静かに漂う廊下の奥へと歩を進めた時、ある部屋の前に飾られた小さな掲示板が目に留まった。
『写真部 作品展示』
木枠で作られた掲示板に、数枚の写真が並べられている。
何気なく視線を滑らせていた彩羽の足が、ピタリと止まった。
そこに展示された一枚の小さな写真。
それは、古い木造校舎の窓際に置かれたラムネ瓶の、透明なガラス越しに撮影された写真だった。
夕陽を浴びてキラキラと輝く、中に閉じ込められたひとつのビー玉。