先生はキケンな許嫁。
4時間目が終わり昼休み。
「美織〜お腹すいたね〜」
「うん、てかなんかこれ運べとか言われた」
「だれに?まさか李人さま?♡」
「……うん」
「えー!わたしもいくぅ♡」
あーよかった。奈々が来てくれて。
1人であいつに会うより心強いし。
そんなこと思いながら、社会科準備室の扉をあけた。
「失礼します」
・・・シーン
「なんだぁ、李人様いないじゃーん」
「…だねぇ」
安心した私は窓際に背を向けてもたれかけた。
私の目の前に立っていた奈々が、窓の方を見て口を開いた。
「え?あれ、李人様じゃない?保健室の遠藤先生も!ってかなんかあの2人いい感じじゃない?」
奈々が見ていたのは社会科準備室の窓から見える、校舎の裏側。
チャラ男と保健室の遠藤先生がなんだかイチャついていた。
遠藤小百合(エンドウサユリ)先生。
20代の若くて綺麗で、生徒からも人気のある先生だ。
「や、やば!李人様、今キスしたよね?」
「………きもい、無理」
私と奈々は顔をみわせながら、各々別の反応をしていた。
奈々は『やっば〜!エロ〜!』とかなんとか言って楽しんでる。
わたしは……
無理。チャラい。キケン。
あんなやつがわたしの許嫁とか絶対ありえない。
なんで許嫁がいるのに別の人とキスできるの?
しかも同じ職場の女と…理解できなかった。
「お父さんに…言ってやる…」
「ん、なんかいった?美織」
「……な、なんでもないよっ!」
小声で言った1人ごとを聞かれていなかったわたしはホッとしていた。
お父さんに言って、免許剥奪……いや解雇?
そんでもって私の許嫁もやめさせてやる。
絶対絶対ぜーったい、やめさせてやる!