先生はキケンな許嫁。
♪ キーンコーンカーンコーン
「ひぇええ!?ど、どしたの美織!熱でもある?今日雪降るの!?隕石落下とか!?」
「びっくりしすぎだよぉ」
隣でお弁当を食べながら拓哉先輩と付き合うことになったことを奈々に打ち明けた。
「だってさ、かたくなーに誰とも付き合ってこなかった美織が…わたし…っ泣きそうだよ…うぅ」
「大げさだよー、付き合ったって言ってもどうせ続かないのわかってるし」
「いいんだよ!経験なんだよぉ!しかもあの拓哉先輩とか最高すぎるじゃん!」
「は、はぁー…」
辺りはまだ明るいが徐々に薄暗くなってくる時間帯。
私は帰りの支度をして、教室を出ようとしていた。
「白石!」
「あ、拓哉先輩」
「今日部活ないから一緒に帰ろーぜ!」
「わかりました」
初めての男子と2人で帰る帰り道。
わたしは少し緊張していた。
「白石ってさ、どこらへんに住んでんの?」
「私は隣町の方です。電車で通ってて。」
「俺も!そっちの方だから一緒に電車で帰れるな」
「そうなんですね!」
「………」
ど、どうしよう。会話が続かない……!
男子に慣れていないわたしは少しだけ戸惑った。
「あのさ、嫌だったらごめん。白石って今まで何人と付き合ったことある?」
「……付き合ったことないです」
「まじで?うそだろ……なんで?」
「な、なんで…ですかねぇ、ははっ…」
許嫁がいるから。なーんてことは言えるわけがない。
「じゃあ俺が初彼氏ってこと?やっべー嬉しいわ!」
こっちを向いて白い歯を見せながら爽やかに笑う先輩。
爽やか過ぎて、一瞬だけ吹いた風もなんだか爽やかな香りがした。
それと同時に…なんだか申し訳ない気持ちになった。
先生のこともあって…正直色々とむしゃくしゃして、勢いで付き合ってしまったし。
でも奈々の言うように、経験しとこうと割り切った部分もあった。
だって私の許嫁は……チャラいから。
「家まで送るよ」
「あ、大丈夫!大丈夫です!」
やばい。もし家に先生とばったり鉢合わせたりなんてしたら……それこそやばい……
「いやでも危ないし…」
「大丈夫です!!大丈夫!ね?」
「あ…あぁ、そんな言うならじゃあ今日はー…」
「ここまでありがとうございました」
まだ1日しか話したことないけど、どっかの誰かさんと違って、先輩は優しいしなんかすごくいい人だってのはわかった。
先輩に手を振ってくるっと後ろを向き、私は前を歩き出す。
「白石!」
先輩の呼ぶ声に振り向いた瞬間。
「ん?…………っ……ん…」
ひっ…ひゃーーーーーーー!!
わたしは拓哉先輩にキスされた。
「……っせんぱい……?」
「……ごめん、白石可愛過ぎて我慢できなかった…わりい」
「…………」
「…じゃ、じゃあな!またあしたな!」
「……は、はい、またあしたー…」
こ、これは…
ファーストキス…!!