なってみせる、愛しのクリスタル♡~トップ男子たちに愛されるのがわたしの使命!?
「雫ちゃん、大丈夫!?」

「杏莉ちゃんありがとう」

松雪くんと一緒に取りに行ってくれたみたいで杏莉ちゃんがタオルを持ってきてくれた。
落とさないように気を付けながら噴水を出て、まず最初にタオルでぽんぽんっと本を拭いた。

よし、これで大丈夫!とりあえずはこれで…

「……。」

制服を脱いでシャツの上にタオルを羽織(はお)ってびしょびしょになった体をふいてる。
少しめんどくさそうな顔をして、銀くんたちと何かしゃべりながら歩いて行く背中をじっと見てた。


誰もいないと思ってた。

こんな大きな噴水に飛び込んで行く人、わたし以外に。


ねぇどうして助けてくれたの?


「…。」

ぎゅっと本を持つ手に力を入れて、すぅっと息を吸った。背中に向かって叫びたくて。


「椿原希生!!!」


ビクッとなる背中を見て、ざわざわとさわがしくなる噴水の真ん中で思いっきり叫んだ。


「わたし、絶対にクリスタルレディーになるから!」


ふふんっと笑って見せた。


負けない、何があっても負けない。



だってわたしは自分の意志で聖クリスタル学園に来たの。

だから簡単にあきらめないよ、絶対に。



「立派なクリスタルレディーになる!」



気だるそうに椿原希生が振り返る、人差し指で下まぶたをくいっと引っ張った。わたしに向かってべっと舌を出して。


「お前には無理だ」


でもね、ちょっとだけほんのちょっとだけ笑ったの。

わかりにくいけど、ほっぺがゆるんだ気がした。



やってやろーじゃん、クリスタルレディー!

無理だなんて、やってみなきゃわからないもんね!!
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