なってみせる、愛しのクリスタル♡~トップ男子たちに愛されるのがわたしの使命!?
パンッと本を閉じた希生が棚に戻した。
背表紙を指でさしながら目で追って、まだ他の本を探してるみたい。

「じゃあ、クリスタルは集めれそうか?」

「…それはまだわかんないけど」

がんばりたいとは思ってるけど、どうがんばったらいいかはわからなくてしょぼんってしちゃった。

杏莉ちゃんもいろいろ考えてくれて、授業では誰より多く手を上げて、隅々(すみずみ)まで黒板消したり学校のゴミ拾いしたり、あとはTikTokで踊って毎日インスタ更新して…、だけどどれも上手くはいかなくて正直すっごい悩んでる。

このままじゃ課題は達成できないし、クリスタル学園にいられなくなっちゃうかもしれなくて…

「不正でもするか?」

本棚から本を取った希生がニヤッと笑ってこっちを見た。その顔がすっごいいやらしくてむっと口をへの字に曲げた。

「そんなことしないし!」

「そうでもしないとお前に勝ち目はねぇぞ」

「な、なくてもしないの!」

それくらいしないとクリスタル5個なんて無理なことはわかってるけど、不正とかずるとかそんなことはしたくなくて。

自分の力でどうにかしたいの、だって…


「叶(キョウ)はそんなことしないから!」


パッと前を向いた。

そうだ、下を向いてる場合じゃない。
他に何かできるかもっと考えないと。

「あ、叶はキラひかの主人公なんだけどね!何があっても真っ直ぐ進んでいくとこがいいの、インチキなんて絶対しないんだから!」

弱気になっちゃいけない、きっとまだあるから。

「どんだけ影響されてんだよ」

「いいの、わたしのヒーローなんだから信じてるの」

「架空のキャラクターだぞ」

「わたしの心の中にはいるの!」

キラキラ光って、を読んでから。

ずっとわたしの中にいる、わたしを救ってくれたわたしを支えてくれる人。

だからわたしにできることを、少しでもいいからやれることをするんだ。


「絶対最後まであきらめないの」


ほら今、勇気がわいてきた。

いつだってわたしを勇気づけてくれるの。


なんてね、って隣を見たらまったーく興味なさそうな顔でペラペラ本をめくってたけど。

そうだとは思ったけど、こんな話聞いてもだから何?って感じだろうしね。


希生には関係ないもん、それにキングって言われてる希生はー…

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