なってみせる、愛しのクリスタル♡~トップ男子たちに愛されるのがわたしの使命!?
第三走者は葵田さん、英語が得意で発音がいいってよく先生にほめられてる三つあみがかわいい女の子。
もちろんしゃべったことはないけど、目だって合ったことはないけど、さっきの話し合いで葵田さんもしゃべってはなかったから走るの苦手なのかなって思ってた。

でも誰にだって苦手なものってあるし、それは悪いことじゃない。


だけどね、あきらめないことは大事だと思うんだ。


「葵田さんがんばれーっ!」

だってリレーは1人でするものじゃないから、みんなでバトンをつなぐのがリレーだから。

「葵田さんあと少しだよがんばってーっ」

いっぱい叫んだ、葵田さんに届いてほしくて立ち上がってほしくて。

「葵田さんっ!!!」

グラウンドにはわたしの声しか聞こえてなかったけど、でもそれでいいの。

それでもいい、葵田さんに聞こえてたら…

「あっ」

葵田さんが動き出した。

泣きそうな顔で立ち上がって転がったバトンを拾ってもう一度走り出した。


わたしの元までバトンが届く、わたしの手にバトンがー…


「花村さんっ、ごめんね…っ」


初めて目が合った、顔を見てくれた名前を呼ばれた。

だからぎゅっとバトンを受け取ったの。


「わたしに任せて!」


タンッと一歩踏み出した。

すっかり距離ができてしまったけどまだ見えなくはないから、まだ見えてるから。

ずっと入院してたから子供の頃は運動しちゃダメって言われてて、だから病気が治ったらいーっぱい体を動かしたいって思ってたの。

思う存分やるたいことするんだって決めてたの。


だからね、走るのって結構得意なの!

もう平気だよって言われてからずーっと走ってきたから…!


わぁーって声が聞こえた。

それはいいやつなのか?悪いやつなのか?

わかんないけど、走るわたしに向けて声が聞こえた。

その声を聞いて走る、ゴールまで走り切る。

ゴールテープを切るみたいに、真っ直ぐかけ抜けた。
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