君の隠し事
それから数日間、彼からの連絡はほとんどなかった。

最初のうちは、傷が痛いのかもしれない、疲れて眠っているのかもしれないと自分に言い聞かせていた。

けれど、時間が経つほど、不安は大きくなっていった。

私は毎晩、短いメッセージを送った。

「今日の調子はどう?」

「無理しないでね」

「学校のことは気にしなくて大丈夫だよ」

彼から返ってくるのは、いつも一言だけだった。

『ありがとう』

それ以上、何も聞けなかった。

聞いてはいけないような気がした。

彼が今、どんな顔をしているのか。

痛みに耐えているのか。

サッカーができない現実に、ひとりで苦しんでいるのか。

考えるほど、胸が苦しくなった。

退院の日、私は部活が終わると、駅前の小さな公園へ向かった。

彼と約束した場所だった。

ベンチに座って待っていると、遠くから彼が歩いてくるのが見えた。

松葉杖をついていた。

私は立ち上がった。

「……久しぶり」

『 うん』

彼は笑おうとした。

でも、その笑顔はすぐに崩れた。

「歩くの、まだ大変?」

『 まあな。でも、思ったよりは平気』

「そっか」

何を話せばいいのか分からなかった。

以前なら、会った瞬間にくだらない話を始められたのに。

今は、彼の膝に視線を向けることさえ怖かった。

『 座ろう』

彼がベンチを指した。

私たちは少し距離を空けて座った。
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