君の隠し事
翌朝。

教室へ向かう途中、廊下の先に彼の姿が見えた。

男子の友達と話している。

彼は笑っている。

いつも通りの彼に見えた。

でも、私に気づいた瞬間、その笑顔は消えた。

彼は友達に何かを言い、こちらに近づいてくる。

『 おはよ』

「……おはよ」

声をかけられたのに、いつものように笑えなかった。

彼もそれに気づいたのか、少しだけ目を伏せる。

『 昨日のLINE ……』

「うん」

『ごめん、途中で送れなくなった』

「送れなくなったって、どういうこと?」

『 そのまんまの意味』

「意味わかんないよ」

思わず声が強くなった。

廊下を歩く生徒たちが、チラチラとこちらを見る。

彼は困ったようにこちらを見てから、声を落とした。

『 放課後、少し話せる?』

「ちゃんと話してくれる?」

彼はすぐには答えなかった。

その沈黙が、答えのように思えた。

『 ……努力する』

「努力じゃなくて、話して」

彼の目が揺れた。

それから、小さく頷く。

『 わかった』





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