イケメン男子は、天然美少女を一途に溺愛中。
悠生は静かにふたりを見ていた。
少しだけ苦しそうに笑って、それでも視線を外さない。

「やっぱりそうなんだ」

小さくつぶやいてから、悠生は紬を見る。

「紬の目、ずっと朝比奈追ってたもんな」

紬は何も言えなかった。
図星すぎて、言葉が出ない。

悠生は短く息を吐いて、でも最後までやさしかった。

「返事、急がせないって言ったけど」

少し間を置いて続ける。

「本当は急いでほしいくらい好きだよ」

その言葉もまた真剣で、胸が痛む。
誰かのまっすぐな気持ちが交差すると、こんなにも苦しい。

湊の指先が、わずかに動いた。
今にも紬の手を引きそうなのに、まだ触れない。
その我慢が、余計に切なかった。

夕方の教室。
差し込む光。
張りつめた沈黙。
恋が、もう後戻りできないところまで来ている。

紬は気づいていた。
次に口にする言葉で、何かが大きく変わる。
幼なじみの想い。
ずっと待っていた湊の本音。
そのどちらにも、もう気づかないふりはできない。

そして湊も、もうたぶん限界だった。
今にも紬の名前を呼んで、全部さらってしまいそうなくらいに。
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