イケメン男子は、天然美少女を一途に溺愛中。

第十六章

夕方の教室は、息が詰まるほど静かだった。

窓から差し込むオレンジ色の光が、机の端を長く照らしている。
どこか遠くで運動部の声がした。
でも、この場所だけ別の時間みたいに止まっていた。

悠生のまっすぐな想い。
湊の、もう隠しきれない本音。
そのあいだに立ちながら、紬の胸は苦しいほどいっぱいだった。

誰かを傷つけずに終わる答えなんて、きっとない。
それでも、もう曖昧にはしたくなかった。

「紬」

悠生が、静かに名前を呼ぶ。

「ちゃんと聞かせて」

その声はやさしかった。
だからこそ、余計に痛い。

紬は小さく息を吸った。
指先が震える。
でも、目だけはそらさなかった。
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