イケメン男子は、天然美少女を一途に溺愛中。
「白石」

湊が、今度ははっきりと呼ぶ。

「ありがとう」

その声が、ひどく弱くて、ひどく大事そうで、紬はまた泣きそうになる。

「そんなの、こっちのほうだよ」

笑おうとしたのに、うまく笑えなかった。

すると湊が、ゆっくり一歩近づく。
あと少しで触れられる距離。
教室の空気が、また変わる。

「俺」

低い声が落ちる。

「白石に選ばれて、すごくうれしい」

紬の胸が熱くなる。

「うれしいのに、怖い」

「こわい?」

「大事すぎて」

その言葉に、紬は息を止めた。

「ちゃんとしたいって思うほど、失敗したくなくなる」

それはきっと、湊らしい本音だった。
軽く始められない。
簡単に幸せだと言い切れない。
でも、そのぶん真剣で、誠実で、苦しいほどやさしい。
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