イケメン男子は、天然美少女を一途に溺愛中。
その日、紬は先に図書室へ行っていた。

窓際の席。
夕方の光。
静かな本棚。
全部、最初に湊と近づいたころのままだった。

違うのは、待つ気持ちだけだった。
前は来てくれるかどうかもわからなくて、不安ばかりだった。
でも今は、ちゃんと約束している。

少しして、扉が開く音がした。

振り向くと、湊が立っていた。

「待った?」

静かな声。
でも、恋人になってからはそのひと言だけで胸があたたかくなる。

「今来たとこ」

そう返すと、湊は小さく笑って紬の向かいに座った。

図書室は相変わらず静かだった。
ページをめくる音も、誰かの足音も遠い。
その静けさの中で、向かい合っているだけなのに、紬の心は落ち着かなかった。

好きな人が、好きな人としてここにいる。
それがまだ少し夢みたいだった。
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