君の涙は春になる。
「途中まで一緒に帰る?」

「……え」

「ひとりで帰りたくない顔してる」

その言葉に、胸の奥が痛んだ。
図星だった。
でも認めたくなくて、紬はうつむく。

「そんな顔、してない」

「してる」

即答されて、紬は少しむっとした。
けれど、なぜだろう。
その強さは嫌じゃなかった。
押しつけるみたいな強さじゃなくて、静かに寄り添うような強さだった。

「……じゃあ、駅まで」

「うん」

湊の傘の下に入ると、雨の音が少し遠くなった。

肩が触れないように気をつけて歩く。
けれど道幅は狭くて、少しだけ近い。
制服越しに感じる相手の体温が、落ち着かないほどあたたかかった。
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