イケメン男子は、天然美少女を一途に溺愛中。
ホームルーム前の短い時間。
周りが友達同士で夏休みの話をしている中、紬は迷いながら席を立った。

湊のところまで行って、声をかける。

「おはよう」

たったそれだけなのに、心臓がうるさい。

湊は紬を見上げて、少しやわらかい顔になる。

「おはよう」

「……久しぶり」

「うん。久しぶり」

それだけの会話なのに、手紙では埋まらなかった距離が少しだけほどけた気がした。

「会えてよかった」

紬が小さく言うと、湊の目がわずかに揺れる。

「俺も」

そのひと言を、もっと聞いていたかった。
でも、その時間は突然終わる。

「紬?」

後ろから名前を呼ばれて、紬は振り向いた。

教室の入り口に立っていたのは、見覚えのある男子だった。

明るい茶色がかった髪。
人なつっこい目。
制服の着方も少しラフで、空気が軽い。
でも、その笑い方にはちゃんと懐かしさがあった。
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