イケメン男子は、天然美少女を一途に溺愛中。
「……悠生くん?」

「やっぱり紬だ」

その男子は、ためらいもなく紬の前まで来た。

「ひさしぶり。やっと見つけた」

周りの何人かが、すぐにざわつき始める。
知らない男子が、紬を下の名前で呼んだからだ。

紬は目を瞬かせた。

「え、なんでここに」

「親の転勤。今日からこのクラス」

あまりにも突然で、頭が追いつかない。

悠生。
小学生のころ、近所に住んでいた幼なじみ。
いつも明るくて、紬が泣きそうなときには真っ先に気づく人だった。
中学に上がる前に引っ越して、それきりだったはずなのに。

「全然変わってないな」

「悠生くんのほうが変わったよ」

「それ褒めてる?」

「たぶん」

自然と笑ってしまう。
懐かしさが、言葉より先にほどけていく。

そのときだった。
ふと視線を感じて、紬ははっとする。

湊が、静かにこちらを見ていた。

何も言わない。
表情も大きくは変わらない。
でも、その目だけが少し冷たく見えて、紬の胸がきゅっと縮む。
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