精霊に愛された少女は、最強魔術師に見つかった
「私の婚約者 ①」
「パルフィア!」
学園の廊下を歩いていたら、名前を呼ばれる。
その声の主が誰だか分かって、私は眉を顰める。振り向いた先に居るのは、私の婚約者であるジャイミー様だ。
水色の髪の人のよさそうな人間だ。ちなみに私に対しては冷たいけれど、他の人に対してはとても優しいらしい。
……仮にも婚約者である私のことを、婚約者は尊重などしない。
「何か御用ですか?」
この人が私に話しかけてくることは珍しかったりする。基本的にはいつもハウレワの傍にばかりいるのだから。
「最近、どこかに行っているのだろう? ハウレワが寂しがっていた」
そう言われて、ああ、この人は探りに来たのだと理解する。
……私がソルベシア様に会いに行っていることまではばれていないだろう。そもそもこれまでも周りから悟られないように警戒をしながら精霊たちと遊んだりもしていたから。
それでも今、こうして探られてしまっているのは私が少しはしゃいでいるからなのかもしれない。
ソルベシア様と過ごしている時間が楽しくて仕方がないから。
「少し野暮用がありまして。ハウレワのことを悲しませてしまって申し訳ないです」
此処で反論をしたところでまた婚約者は怒りを表すだろう。というより私が何を言おうともこの人は気に食わないと思っているはずだ。
そもそも名目上は婚約者とはいえ、ジャイミー様は私がどういう感情を抱いていようが何をしていようがどうでもいいのだ。
ただハウレワが私が楽しそうにしているだけでも気に食わないからという理由だけで声をかけてきている。
廊下には他の生徒達も当然居るけれども、彼らが私達に関わることはない。
そもそも私に接触をしようとは彼らは考えない。私という腫物のような存在に関わったところで面倒なことになるとしか思っていないだろう。
「野暮用? ハウレワ以上に優先するものはないだろう」
――そう、婚約者は心から思っている。
精霊という存在がこの国では特別が故に、精霊に愛されているとされているハウレワのことはこの国では信仰対象である。
……私がこの国で馴染めていないのは、精霊に対して特別な感情を抱いていないからもあるのだろうな。
ハウレワが私に突っかかってくるのも、私がハウレワを特別視していないのが分かっているからというのもあるかもしれない。
私にとっては精霊は友人のようなもの。そこまで特別というわけじゃない。見えるのも、会話を交わせるのも当たり前のことだから。
それにしても私が野暮用で何かしているだけでも気に食わないって相当だ。
私が幸せになること、楽しく過ごすこと。
それだけでもハウレワや義母からしてみると嫌なのだろうな。私がずっとこの国に居たら、そのことを気にして生きていかなければならない。
それにハウレワが私の婚約者であるジャイミー様を選ばなかったら、順当に私は彼と結婚することになってしまうだろう。
それに例えば結婚したとしても、私のことを大切にしたりはしないだろう。
それこそ不倫とかも当然しそう。……ハウレワが子供を沢山産めば、その子供だって精霊を視ることが出来るかもしれないとそう判断する人は多そう。
一般的に見て不倫は褒められることじゃない。普通の貴族がそういうことを行っていたら、それこそ周りから責め立てられたりすることは当然あるだろう。
精霊とは、純粋な存在だから。
だけれども、精霊に愛されているとされているハウレワならばそうしても構わないとそう思われているらしかった。
なんともまぁ、矛盾している考え方で思わず笑いそうになる。
今はハウレワは誰かと肉体関係をもったりはしていない。複数人とそういう仲になろうとは考えていないはずだ。
だけれども後々今の純粋さを失って複数人とそういう仲になったら流石に精霊たちも離れていくかもしれない。
精霊を視ることが出来るのって若い時だけの人もそれなりに多いって精霊たちがいっていたし。
後々その力が失われていく可能性だって十分ある。
私だって、精霊を視たり話せることは当たり前だとは思っているけれどいつか彼等と話すことも出来なくなるかもしれない。
そのことも考えた上で行動したいものだなと思う。
「その通りですね。もっとハウレワにご迷惑をかけないようにはするつもりです」
反論は愚策。
私の意思や意見など、婚約者には関係がない。
「そうしろ。それと今日の放課後はハウレワがお前をお茶会に誘っている。有難く思うように」
「はい。分かりました」
正直行きたくもない。
どうせハウレワを崇拝する者達ばかりのお茶会だ。私を笑いものにするためのお茶会であることは想像がつく。
私が楽しそうにしているから、私を悲しませようとか、そう言うハウレワの思惑がありそう。
ハウレワは子供っぽい。
そういうところ、大人になれていない。
いや、だからこそ下級精霊の事が見えるんだろうなとは思う。うん、ある意味純粋ではあるのだから。
……お茶会、楽しくないだろうけれどいかないとな。
学園の廊下を歩いていたら、名前を呼ばれる。
その声の主が誰だか分かって、私は眉を顰める。振り向いた先に居るのは、私の婚約者であるジャイミー様だ。
水色の髪の人のよさそうな人間だ。ちなみに私に対しては冷たいけれど、他の人に対してはとても優しいらしい。
……仮にも婚約者である私のことを、婚約者は尊重などしない。
「何か御用ですか?」
この人が私に話しかけてくることは珍しかったりする。基本的にはいつもハウレワの傍にばかりいるのだから。
「最近、どこかに行っているのだろう? ハウレワが寂しがっていた」
そう言われて、ああ、この人は探りに来たのだと理解する。
……私がソルベシア様に会いに行っていることまではばれていないだろう。そもそもこれまでも周りから悟られないように警戒をしながら精霊たちと遊んだりもしていたから。
それでも今、こうして探られてしまっているのは私が少しはしゃいでいるからなのかもしれない。
ソルベシア様と過ごしている時間が楽しくて仕方がないから。
「少し野暮用がありまして。ハウレワのことを悲しませてしまって申し訳ないです」
此処で反論をしたところでまた婚約者は怒りを表すだろう。というより私が何を言おうともこの人は気に食わないと思っているはずだ。
そもそも名目上は婚約者とはいえ、ジャイミー様は私がどういう感情を抱いていようが何をしていようがどうでもいいのだ。
ただハウレワが私が楽しそうにしているだけでも気に食わないからという理由だけで声をかけてきている。
廊下には他の生徒達も当然居るけれども、彼らが私達に関わることはない。
そもそも私に接触をしようとは彼らは考えない。私という腫物のような存在に関わったところで面倒なことになるとしか思っていないだろう。
「野暮用? ハウレワ以上に優先するものはないだろう」
――そう、婚約者は心から思っている。
精霊という存在がこの国では特別が故に、精霊に愛されているとされているハウレワのことはこの国では信仰対象である。
……私がこの国で馴染めていないのは、精霊に対して特別な感情を抱いていないからもあるのだろうな。
ハウレワが私に突っかかってくるのも、私がハウレワを特別視していないのが分かっているからというのもあるかもしれない。
私にとっては精霊は友人のようなもの。そこまで特別というわけじゃない。見えるのも、会話を交わせるのも当たり前のことだから。
それにしても私が野暮用で何かしているだけでも気に食わないって相当だ。
私が幸せになること、楽しく過ごすこと。
それだけでもハウレワや義母からしてみると嫌なのだろうな。私がずっとこの国に居たら、そのことを気にして生きていかなければならない。
それにハウレワが私の婚約者であるジャイミー様を選ばなかったら、順当に私は彼と結婚することになってしまうだろう。
それに例えば結婚したとしても、私のことを大切にしたりはしないだろう。
それこそ不倫とかも当然しそう。……ハウレワが子供を沢山産めば、その子供だって精霊を視ることが出来るかもしれないとそう判断する人は多そう。
一般的に見て不倫は褒められることじゃない。普通の貴族がそういうことを行っていたら、それこそ周りから責め立てられたりすることは当然あるだろう。
精霊とは、純粋な存在だから。
だけれども、精霊に愛されているとされているハウレワならばそうしても構わないとそう思われているらしかった。
なんともまぁ、矛盾している考え方で思わず笑いそうになる。
今はハウレワは誰かと肉体関係をもったりはしていない。複数人とそういう仲になろうとは考えていないはずだ。
だけれども後々今の純粋さを失って複数人とそういう仲になったら流石に精霊たちも離れていくかもしれない。
精霊を視ることが出来るのって若い時だけの人もそれなりに多いって精霊たちがいっていたし。
後々その力が失われていく可能性だって十分ある。
私だって、精霊を視たり話せることは当たり前だとは思っているけれどいつか彼等と話すことも出来なくなるかもしれない。
そのことも考えた上で行動したいものだなと思う。
「その通りですね。もっとハウレワにご迷惑をかけないようにはするつもりです」
反論は愚策。
私の意思や意見など、婚約者には関係がない。
「そうしろ。それと今日の放課後はハウレワがお前をお茶会に誘っている。有難く思うように」
「はい。分かりました」
正直行きたくもない。
どうせハウレワを崇拝する者達ばかりのお茶会だ。私を笑いものにするためのお茶会であることは想像がつく。
私が楽しそうにしているから、私を悲しませようとか、そう言うハウレワの思惑がありそう。
ハウレワは子供っぽい。
そういうところ、大人になれていない。
いや、だからこそ下級精霊の事が見えるんだろうなとは思う。うん、ある意味純粋ではあるのだから。
……お茶会、楽しくないだろうけれどいかないとな。