精霊に愛された少女は、最強魔術師に見つかった
「ソルベシア様は、少し不機嫌①」
「パルフィア」
私は今日も精霊達とたわむれにやってきた。その場には当然のようにソルベシア様の姿がある。
ソルベシア様と話すのも日常の一部のようになっている。
そのことが不思議な感覚になる。楽しいのはそう。だけれどもこの楽しい日々に慣れてしまったら、それがなくなった時に寂しくなりそうだなと思った。
「……ソルベシア様、その表情はどうなさったのですか?」
ソルベシア様は難し気な表情を浮かべていた。私と話している時は、いつも笑っていたからそんな表情を見るのは初めてだった。
だから何か嫌なことでもあったのかと、不安に思ってしまった。
精霊たちも心配そうにソルベシア様のことを見ていた。
「……パルフィアのことを他の者から聞いた」
「私のことを聞いた?」
私のことを噂するような存在はほとんどいないはずだ。私は基本的に空気のように生きていて、誰も私のことを気にしようとしない。
そもそも私の名前などを正確に把握している人がどれだけいるのか、そのあたりも分からないぐらいだ。
大多数の人は、私になんか興味がない。
そんな状況でソルベシア様の耳にわざわざ私のことを話に行く人が居るのだろうかと分からなかった。
「お前の妹が話しかけてきた」
「ああ、それは聞きました。パーティーの場で冷たくあしらわれてしまったのだと。ソルベシア様はどうしてハウレワには優しくしないのですか?」
私に対してもいつだって優しいソルベシア様。私の話をきちんと聞いてくれていて、私の意思を尊重してくれている。
そんなソルベシア様がどうしてハウレワには冷たかったのかの理由が分からなかった。
立場を考えればハウレワと仲良くしていた方がずっと楽なはずだ。だってハウレワはこの国で最も有名な女の子で、周りからそれはもう大切にされている。
この国にしばらくいるのならば、ハウレワによくしていた方が動きやすい。だってハウレワに冷たくする相手に、この国の人々は冷たいから。
私の周りに人が寄ってこないのも、私が義母や妹からよく思われていないからだ。
ソルベシア様もこの国に滞在している間は、ハウレワによくした方がいいのではないかとも思った。ただ私と喋ることをやめてハウレワと仲良くしていたら寂しいとは思うけれど。
「別に仲良くする必要もないからな」
「でも私のことは精霊と喋れるから興味を抱いたのでしょう? 力の差異はあれど、ハウレワだって同じだから」
私に対して関心を抱いているのと同じようにハウレワにも興味を抱くものではないかとそうも思ってしまった。
「パルフィアとその妹では別だろう。俺がお前に興味を抱いたのは確かに精霊たちが集っているからだ。それは間違いない。でもこうして話をしに来ているのは、それが理由じゃないぞ」
そう言われたものの、よく分からなかった。
だって私に興味を抱く理由なんて、精霊に纏わること以外はないだろう。不思議に思っているとソルベシア様は呆れたような表情を浮かべた。
ソルベシア様だけではなく、精霊達だっておかしそうに笑っている。
何か変なことを言ってしまっただろうか?
「パルフィア、俺は此処で見つけたのが妹の方だったらこんなに話しかけに来ないし、興味も持たない。パルフィアがそれだけ興味深いからこうして此処に来ているんだ」
「……そうなんですか?」
ハウレワより自分の方が優先されたことなどない。ハウレワだったらこうして話していないというのも驚いた。
「ああ。それだけの価値がお前にはある。だから俺が此処に来るのは、パルフィアが精霊を視ることが出来るからというのは理由の一つだが、それ以上に興味があるからだ。もっと話したいと思って此処に来ている。」
「それは……ありがとうございます」
こうして真正面からこんなことを言われると、照れてしまう。
自分と話したいと言ってくれることはこんなに嬉しいのだなと驚いた。精霊達以外でこんな言葉をかけてくれる人などいなかった。
「俺がお前の妹と仲良くする気がないのは、パルフィアに冷たい扱いを向こうがしているからだ」
「え」
「パーティーの場でそれはもう得意げにパルフィアのことをどう扱っているかとか、そう言う話をつい先日もしていた。お茶会でずっと頭を下げたままにさせたとか」
「つい先日のことなのに、ソルベシア様の耳に入っているなんてお恥ずかしい……」
ソルベシア様にこの前のことがもう知られているのかとなんとも言えない気持ちになってしまった。
ハウレワはソルベシア様にまた話しかけると言っていた。だから話のタネとして私の話題を口にしたのかもしれない。
――ハウレワが私のことを話す際、そのことをそのまま受け入れるような人ばかりだろう。
ハウレワの機嫌を損ねないために。だから国内の人達と話しているような感覚で、他国の人間であるソルベシア様に話しかけたのだろうなと想像がついた。
でもだから仲良くする気がないというのはよく分からない。
「……パルフィアにとってはいつも通りの対応をされているつもりかもしれないが、俺はお前がそういった扱いをされているのは不快だ。パルフィアはそんな態度をされる理由など一つもないだろう。それなのに妹の方に追随しているのは聞いていて嫌な気持ちになった」
ソルベシア様の言葉を聞いて、もしかして不機嫌の理由って私がそう言う態度をされていることを聞いたからなのだろうかとまた驚いた。
私は今日も精霊達とたわむれにやってきた。その場には当然のようにソルベシア様の姿がある。
ソルベシア様と話すのも日常の一部のようになっている。
そのことが不思議な感覚になる。楽しいのはそう。だけれどもこの楽しい日々に慣れてしまったら、それがなくなった時に寂しくなりそうだなと思った。
「……ソルベシア様、その表情はどうなさったのですか?」
ソルベシア様は難し気な表情を浮かべていた。私と話している時は、いつも笑っていたからそんな表情を見るのは初めてだった。
だから何か嫌なことでもあったのかと、不安に思ってしまった。
精霊たちも心配そうにソルベシア様のことを見ていた。
「……パルフィアのことを他の者から聞いた」
「私のことを聞いた?」
私のことを噂するような存在はほとんどいないはずだ。私は基本的に空気のように生きていて、誰も私のことを気にしようとしない。
そもそも私の名前などを正確に把握している人がどれだけいるのか、そのあたりも分からないぐらいだ。
大多数の人は、私になんか興味がない。
そんな状況でソルベシア様の耳にわざわざ私のことを話に行く人が居るのだろうかと分からなかった。
「お前の妹が話しかけてきた」
「ああ、それは聞きました。パーティーの場で冷たくあしらわれてしまったのだと。ソルベシア様はどうしてハウレワには優しくしないのですか?」
私に対してもいつだって優しいソルベシア様。私の話をきちんと聞いてくれていて、私の意思を尊重してくれている。
そんなソルベシア様がどうしてハウレワには冷たかったのかの理由が分からなかった。
立場を考えればハウレワと仲良くしていた方がずっと楽なはずだ。だってハウレワはこの国で最も有名な女の子で、周りからそれはもう大切にされている。
この国にしばらくいるのならば、ハウレワによくしていた方が動きやすい。だってハウレワに冷たくする相手に、この国の人々は冷たいから。
私の周りに人が寄ってこないのも、私が義母や妹からよく思われていないからだ。
ソルベシア様もこの国に滞在している間は、ハウレワによくした方がいいのではないかとも思った。ただ私と喋ることをやめてハウレワと仲良くしていたら寂しいとは思うけれど。
「別に仲良くする必要もないからな」
「でも私のことは精霊と喋れるから興味を抱いたのでしょう? 力の差異はあれど、ハウレワだって同じだから」
私に対して関心を抱いているのと同じようにハウレワにも興味を抱くものではないかとそうも思ってしまった。
「パルフィアとその妹では別だろう。俺がお前に興味を抱いたのは確かに精霊たちが集っているからだ。それは間違いない。でもこうして話をしに来ているのは、それが理由じゃないぞ」
そう言われたものの、よく分からなかった。
だって私に興味を抱く理由なんて、精霊に纏わること以外はないだろう。不思議に思っているとソルベシア様は呆れたような表情を浮かべた。
ソルベシア様だけではなく、精霊達だっておかしそうに笑っている。
何か変なことを言ってしまっただろうか?
「パルフィア、俺は此処で見つけたのが妹の方だったらこんなに話しかけに来ないし、興味も持たない。パルフィアがそれだけ興味深いからこうして此処に来ているんだ」
「……そうなんですか?」
ハウレワより自分の方が優先されたことなどない。ハウレワだったらこうして話していないというのも驚いた。
「ああ。それだけの価値がお前にはある。だから俺が此処に来るのは、パルフィアが精霊を視ることが出来るからというのは理由の一つだが、それ以上に興味があるからだ。もっと話したいと思って此処に来ている。」
「それは……ありがとうございます」
こうして真正面からこんなことを言われると、照れてしまう。
自分と話したいと言ってくれることはこんなに嬉しいのだなと驚いた。精霊達以外でこんな言葉をかけてくれる人などいなかった。
「俺がお前の妹と仲良くする気がないのは、パルフィアに冷たい扱いを向こうがしているからだ」
「え」
「パーティーの場でそれはもう得意げにパルフィアのことをどう扱っているかとか、そう言う話をつい先日もしていた。お茶会でずっと頭を下げたままにさせたとか」
「つい先日のことなのに、ソルベシア様の耳に入っているなんてお恥ずかしい……」
ソルベシア様にこの前のことがもう知られているのかとなんとも言えない気持ちになってしまった。
ハウレワはソルベシア様にまた話しかけると言っていた。だから話のタネとして私の話題を口にしたのかもしれない。
――ハウレワが私のことを話す際、そのことをそのまま受け入れるような人ばかりだろう。
ハウレワの機嫌を損ねないために。だから国内の人達と話しているような感覚で、他国の人間であるソルベシア様に話しかけたのだろうなと想像がついた。
でもだから仲良くする気がないというのはよく分からない。
「……パルフィアにとってはいつも通りの対応をされているつもりかもしれないが、俺はお前がそういった扱いをされているのは不快だ。パルフィアはそんな態度をされる理由など一つもないだろう。それなのに妹の方に追随しているのは聞いていて嫌な気持ちになった」
ソルベシア様の言葉を聞いて、もしかして不機嫌の理由って私がそう言う態度をされていることを聞いたからなのだろうかとまた驚いた。