精霊に愛された少女は、最強魔術師に見つかった
「少しずつ変わっていくこと ③」
「来てくれて安心した」
「……ソルベシア様からお誘いがあったのだから、当たり前です」
ぶっきらぼうに言ってしまったなと、後からはっとする。
ただなんだろう、私がソルベシア様に会いたがっているという事実を知られるのは嫌だった。
恥ずかしかった。そんな自分を……誰かに知られたくなかった。
ソルベシア様と会う約束をした場所は、以前目撃されてしまった場所。そこは人気のない森の中だ。
……それこそ魔獣が徘徊しているし、私が精霊たちと戯れているのは崖の上。普通の人ならまず来られないエリアだ。
私は精霊たちに連れられて、此処までくることはたやすい。精霊たちが生物を近づけさせないようにしているのも人が来れない理由ではある。
そんな場所で誰かと会うと思わなくて、前回は油断していた。……またソルベシア様のようにこちらに来てしまう人が出てこないかとそのことは不安だ。
精霊達にはくれぐれも、人をこちらに連れてこないようにとお願いはしているけれど……。
「何度見てもやはり美しい光景だな」
「ソルベシア様は精霊の姿はきちんと見えていないとは聞いていますけれど、どのように見えているのですか?」
私は精霊の姿形がはっきりと見える。だから気配が感じ取れるだけのソルベシア様からするとどうなのか分からない。
「不思議な魔力がパルフィアの周りに彷徨っているのは分かる。魔力を感じ取ろうとすれば分かるが……、そうじゃなければ気づかないな。今は目を凝らしているから、キラキラしている」
「そうなんですね……」
私の見ている世界は、他の人とは違う。共有出来ない感覚も沢山ある。
「と、ところで何を話しますか?」
私に会いたいと言ってくれた。興味があるとも。ただそう、私はこういう時にどんな話題を口にしたらいいかも分からない。
正直人付き合いなんてほとんどしてこなかった。個人的な付き合いのある人間なんて皆無。
こうして対話をするのだから、退屈させないように出来た方がいい。ただし私はソルベシア様を楽しませるような話題を口に出来る気はしなかった。
やっぱり私ってソルベシア様に興味を持ってもらえるような人間ではないんだよなというのをただ実感した。
「ははっ、何を緊張しているんだ? それだけ精霊に囲まれているなら、俺のことぐらいどうとでも出来るだろう?」
おかしそうに、ソルベシア様は笑った。何がそんなに楽しいのだろうか。
「確かに……精霊たちに頼めば、どうにでも出来ることが多いと思います。ただソルベシア様のような強力な力を持つ魔術師相手では、精霊たちも消耗してしまいますわ。それに私はソルベシア様と敵対したいわけではないので。……それと緊張しているのは、他人と個人的な話をすることはなかなかなかったからです」
ソルベシア様の魔力量は、とても多いように感じられた。それに最強の魔術師なんて呼ばれている存在なのだから、それはもう凄まじい魔術の使い手だろう。
――普通の人なら、精霊と対峙することは難しい。それでもソルベシア様なら、可能なのだ。
ソルベシア様の方こそ、私をどうにでも出来ると思う。それこそ、私の意思なんて気にせずに。
「パルフィアは本当に可愛いな。俺がお前と関わりたいと言っているんだ。どんな話でも構わないに決まっているだろう?」
「……私はつまらない話しか出来ないかもしれませんよ?」
「こうしてただ話しているだけでも十分に面白い。詰まらないなんて言う奴は気にしなくていい。そんなことを言う奴の方が悪い」
「それなら、いいですけれど……」
「自由に話せ」
自由になどと言われてもやっぱりどうしよう? とそんなことを考えてしまった。
ソルベシア様は精霊と交流を持つことが出来る私のことを興味深く思っている。それならば、精霊の話をするべきだろうか。それか、魔術の話をする?
私は表向きには魔術は学んでいない。下手に目立つとハウレワ達の機嫌を損ねてしまうから。
私の魔術はあくまで独学だ。
だから……ソルベシア様は楽しめないのではないかなどと余計なことを考える。
ただ見つめられて、黙っているわけにもいかないので口を開いた。
「今、この場に居る精霊は昔からの付き合いのある子もいるのです。とても力の強い精霊で、いつも私の話を聞いてくれるんです。私がこれまで平和に過ごせたのもこの子のおかげですよ」
私はそう言って、一体の精霊へと手を伸ばす。
その精霊は私の目で見える姿は小さな子供だけど、それはあくまで私の傍にいるため力をおさえてくれているだけだ。本来はもっと大きな姿だ。何度か見たことはある。
どこにいるのか分かった方が説明しやすいかなと、思って指をさす。
私はそれから、その子の説明をしていたのだけど、
「精霊の話はいいから、パルフィアのことを聞きたい」
などと言われてしまった。
私のことって、何を話したらいいんだろう……。
「……ソルベシア様からお誘いがあったのだから、当たり前です」
ぶっきらぼうに言ってしまったなと、後からはっとする。
ただなんだろう、私がソルベシア様に会いたがっているという事実を知られるのは嫌だった。
恥ずかしかった。そんな自分を……誰かに知られたくなかった。
ソルベシア様と会う約束をした場所は、以前目撃されてしまった場所。そこは人気のない森の中だ。
……それこそ魔獣が徘徊しているし、私が精霊たちと戯れているのは崖の上。普通の人ならまず来られないエリアだ。
私は精霊たちに連れられて、此処までくることはたやすい。精霊たちが生物を近づけさせないようにしているのも人が来れない理由ではある。
そんな場所で誰かと会うと思わなくて、前回は油断していた。……またソルベシア様のようにこちらに来てしまう人が出てこないかとそのことは不安だ。
精霊達にはくれぐれも、人をこちらに連れてこないようにとお願いはしているけれど……。
「何度見てもやはり美しい光景だな」
「ソルベシア様は精霊の姿はきちんと見えていないとは聞いていますけれど、どのように見えているのですか?」
私は精霊の姿形がはっきりと見える。だから気配が感じ取れるだけのソルベシア様からするとどうなのか分からない。
「不思議な魔力がパルフィアの周りに彷徨っているのは分かる。魔力を感じ取ろうとすれば分かるが……、そうじゃなければ気づかないな。今は目を凝らしているから、キラキラしている」
「そうなんですね……」
私の見ている世界は、他の人とは違う。共有出来ない感覚も沢山ある。
「と、ところで何を話しますか?」
私に会いたいと言ってくれた。興味があるとも。ただそう、私はこういう時にどんな話題を口にしたらいいかも分からない。
正直人付き合いなんてほとんどしてこなかった。個人的な付き合いのある人間なんて皆無。
こうして対話をするのだから、退屈させないように出来た方がいい。ただし私はソルベシア様を楽しませるような話題を口に出来る気はしなかった。
やっぱり私ってソルベシア様に興味を持ってもらえるような人間ではないんだよなというのをただ実感した。
「ははっ、何を緊張しているんだ? それだけ精霊に囲まれているなら、俺のことぐらいどうとでも出来るだろう?」
おかしそうに、ソルベシア様は笑った。何がそんなに楽しいのだろうか。
「確かに……精霊たちに頼めば、どうにでも出来ることが多いと思います。ただソルベシア様のような強力な力を持つ魔術師相手では、精霊たちも消耗してしまいますわ。それに私はソルベシア様と敵対したいわけではないので。……それと緊張しているのは、他人と個人的な話をすることはなかなかなかったからです」
ソルベシア様の魔力量は、とても多いように感じられた。それに最強の魔術師なんて呼ばれている存在なのだから、それはもう凄まじい魔術の使い手だろう。
――普通の人なら、精霊と対峙することは難しい。それでもソルベシア様なら、可能なのだ。
ソルベシア様の方こそ、私をどうにでも出来ると思う。それこそ、私の意思なんて気にせずに。
「パルフィアは本当に可愛いな。俺がお前と関わりたいと言っているんだ。どんな話でも構わないに決まっているだろう?」
「……私はつまらない話しか出来ないかもしれませんよ?」
「こうしてただ話しているだけでも十分に面白い。詰まらないなんて言う奴は気にしなくていい。そんなことを言う奴の方が悪い」
「それなら、いいですけれど……」
「自由に話せ」
自由になどと言われてもやっぱりどうしよう? とそんなことを考えてしまった。
ソルベシア様は精霊と交流を持つことが出来る私のことを興味深く思っている。それならば、精霊の話をするべきだろうか。それか、魔術の話をする?
私は表向きには魔術は学んでいない。下手に目立つとハウレワ達の機嫌を損ねてしまうから。
私の魔術はあくまで独学だ。
だから……ソルベシア様は楽しめないのではないかなどと余計なことを考える。
ただ見つめられて、黙っているわけにもいかないので口を開いた。
「今、この場に居る精霊は昔からの付き合いのある子もいるのです。とても力の強い精霊で、いつも私の話を聞いてくれるんです。私がこれまで平和に過ごせたのもこの子のおかげですよ」
私はそう言って、一体の精霊へと手を伸ばす。
その精霊は私の目で見える姿は小さな子供だけど、それはあくまで私の傍にいるため力をおさえてくれているだけだ。本来はもっと大きな姿だ。何度か見たことはある。
どこにいるのか分かった方が説明しやすいかなと、思って指をさす。
私はそれから、その子の説明をしていたのだけど、
「精霊の話はいいから、パルフィアのことを聞きたい」
などと言われてしまった。
私のことって、何を話したらいいんだろう……。