霧を払ってくれたあなたは、きっと分かっている。
これは、きっと当時の様子を見ていた閑さんだからこその発言だろう。

私は、思わず肩をすくめる。

相手にいい事かと思ってやった行動が、全て相手の為にはならないというのが今理解できた気がする。

私も今までの人生の中で、その事をしていたかもしれない。

「…だからあの子には、霞ちゃんには言わないで頂戴…」

と私に閑さんは問いかけてきた。

「はい、もちろんです」

と私は、少しいつもより大きい声でそう答えた。

閑さんは安心したのか、いつもの優しい笑顔に戻った。



その後も、霞さんのことについて話していたが、いつの間にかあたりが暗くなっていることに気が付いた。

今日は家に帰ってお母さんのお手伝いをしないといけないので、私は閑さんにお礼の言葉を伝え急いで家を出た。

急いで帰るため走っていたら、前方の方に人が歩いていることが気が付いた。

どこかで見たことがあるような…

私に背を向けてフードを深くかぶっているので顔は見れないが、どこか見たことがあるような人だなと私は感じた。

その人は、歩いているので私と距離がすぐに縮まった。

その人を抜くついでにその人の顔をのぞいてみるとまさかの人物だった。

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