京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜

甘えて、甘えられる

 海の家でご飯を食べて、お昼を満喫した二人は浜辺で休憩することにした。
 寧々はタオルで水気を取り、パーカーを羽織る。伊織も同様にしてパーカーを羽織った。
 パラソルの下は日陰になっているので、炎天下の下にいるより遥かにましだ。
 伊織の肩に頭をこてんと乗せ、寧々はもたれかかった。

「甘えたいん?」
「そんなところ」
「……あかん、そんなかわええことされたら歯止めきかなくなるやろ」

 切ない視線を受けて寧々はくすぐったくなる。今まで伊織に振り回されていた分、こうしてやり返せるのがこんなにも胸が満たされるとは思わなかった。
 そっと手を握ると、優しい力で握り返された。
 周りは喧騒でやかましいが、二人の間には穏やかな時間が流れていた。

 しばらく休憩した後、お互いパーカーを脱いで再び海の中に入る。
 浮き輪の中に入り、伊織に手を引っ張ってもらいながら海の中を進む。あまり奥に進むと危ないので、お互い顔が出ているところまでの高さで楽しむ。

 三時も過ぎ、時間的には早いかもしれないが二人は帰ることにした。
 シャワーを浴びて海水と砂を落としていく。べたべたする肌は気持ち悪いし、きれいな水で流していく。髪も丁寧に洗い、キシキシした感じがなくなった。
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